駅前まで行けるのに、駅は利用できない。
そんなもどかしい道路が筑紫野市にある。
JR二日市駅の西側。市が整備した都市計画道路で、昨年度までにほとんど完成しているのだが、肝心の駅とは接続されていない。
さまざまな構想が浮かんでは消え、現在は改札口がある駅東側とを結ぶ自由通路の建設を目指して市とJR九州が協議中というが、
その形はまだ見えない。
「この先 駅の利用出来ません」。
市役所や二日市温泉街を結ぶ県道から、東側に入る都市計画道路「次田大門線」の入り口には、こんな看板が掲げられている。
きれいに舗装された片側1車線の道路を進むと、「幅員減少」「徐行」「車両通行止」と、今度は別の看板がずらり並ぶ。
向こうに見えるのは二日市駅のホームと電車。
車を離れて歩いて近づくと、駅手前にはロータリーらしき形もできあがっている。
なのに駅には入れない。
ぐるっと遠回りして踏切を利用して東側に出るしかないのだ。
(出典 www.nishinippon.co.jp)
万葉集にも詠まれ、古くから愛されてきた二日市温泉と、駅とを結ぶ道路でもある。
筑紫野市観光協会の山田眞会長は
「目の前にあるのに近づけないのははがゆい。一日も早く、仮設でもいいから西側に改札口を設置してほしい」と力を込める。
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担当する市土木課によると、道路は1952年に都市計画決定されたが、実際の事業として動きだしたのは99年。
初期段階からJRにも内容を説明しており、森下義明課長は
「JRに対しては駅の西側に改札口をお願いします、ぐらいの気持ちで事業を進めてきたはず」という。
県道から駅西側まで約300メートルがほぼ完成。
用地費と工事費などで約10億2千万円をつぎ込んだ。
一方、駅の東側では再開発の構想が浮上し、2003年には準備組合が発足した。
駅前広場の整備なども含んだため土地を所有する市や駅舎を所有するJRも協議に参加。
駅舎の改築、さらには駅ビル建設なども話題になった。
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だが、採算の問題から再開発は頓挫。
現在は線路で東西に分断された街を結ぶ自由通路の整備について、08年度に都市計画決定を受け、市が事業を進めている。
線路の上を通ることやJRの土地が絡むこともあり、大まかな設計を元に費用面も含めた協議をJRと続けている。
だが「市も財政が厳しく、慎重にならざるを得ない」(森下課長)という現状だ。
道路が駅に接続できなければ、10億円もの「生活道路」で終わってしまう。
JRは西日本新聞社の取材に「市の都市計画事業に、鉄道事業者としてしっかり協力する」と回答。
藤田陽三市長も「西と東をつなぐのが市民ニーズ。事業を止めるつもりはない」と意欲を見せる。
だが、具体的な目標年次などは定まっていない。
写真:真新しい道路には「駅の利用出来ません」の看板
(出典 www.nishinippon.co.jp)
以下ソース:西日本新聞 2016年10月23日 00時39分
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_toshiken/article/283843
【珍百景?】10億円かけたのに、駅前まで行けるのに、駅には通じず JR二日市駅西側、筑紫野市の都市計画停滞
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